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■あれもこれも、見たことのある本ばかり 5階建てのビル1階のショーウインドには、見たことのある本がずらりと並んでいます。 「え! 全部ここでつくっているの」と、信じられない気持ちで自動ドアを入ると、元気のいい女性の声で「いらしゃいませ」。その声につられて、何人かが「いらっしゃいませ」と。男性の声もひとつ聞こえました。 若い女性に案内されたところは、ガラス越しにオペレーションルームが見える応接室です。応対してくださったのは、編集Aチームリーダーの稲葉舞子さん。 Q「コンピュータがたくさん見えますね」 A「向こう側は、デザインとDTPの部屋です。このような部屋は、光がディスプレーにうつり込むのをさけるため、暗めにするのが普通のようですが、弊社では、デスクの配置を工夫したり、間仕切りを透明ガラスにしたりするなど、作業に支障がでない範囲で、極力明るくしています」 Q「ショーウインドの本は、全部ここでつくったのですか?」と尋ねると、「はい」。 Q「年にどのくらいつくっているのですか?」 A「図書館用シリーズが10シリーズ、ギネス・ワールド・レコーズなど、単行本の翻訳・編集を含めると、今年度は、およそ100タイトルです。ここ数年、20%くらいの割合で作品数が増えています」 Q「何人でやっていらっしゃるのですか?」 A「編集者・デザイナーを含めたDTPオペレーター、合わせて18名です」 Q「編集Aチームというのは?」 A「4人1チームのただの名前です。編集チームが3つと、DTPが1つ。それに、編集長と社長で18名です。社長も編集者です」 という具合に、てきぱきと答えてくださった稲葉さんは、最近話題になった、NHK週刊こどもニュースの池上彰さんのノンフィクション『ニュースの現場で考える』(岩崎書店)も担当。稲葉さんからは、こんな話しをお聞きしました。 「うちの社長の口ぐせは、本は、みんなでつくるもの。どんなに優秀な編集者でも、1人ではつくれないと申しております。ですから、どんな作品でも、チームで担当するようにしています」 |
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