レモンジュースのような酸っぱい雨が降る。これを酸性雨というんだ。
ほんとうかな。でも、いまこの酸性雨のせいで、世界中で自然が壊されているんだよ。
たとえば、スウェーデン・ノルウェー・カナダでは数千の湖が魚の住めない「死の湖」になってしまったし、ドイツでは森の木が枯れてしまう「黒い森」がひろがってしまったんだ。外国だけじゃなくて、日本でも丹沢のブナ林や日本海側の森で木が立ち枯れる現象が起きている。
自然だけでなく、コンクリートのビルや金属の橋・彫刻なども酸性雨のせいで、溶けだしぼろぼろに侵される現象も起きているんだよ。
酸性雨はなぜ降るんだろう。
その原因は工場や自動車は動くために、石油や石炭のような化石燃料を燃やさなくちゃいけないんだ。この化石燃料を燃やすときにでる煙や排ガスにはイオウ酸化物やチッソ酸化物という物質がふくまれるている。これは大気中にはきだされたとき、大気中の水分と結びついて硝酸や硫酸になるんだよ。きみは硫酸って知っているよね。金属をとかしてしまうほどの劇薬だ。それが雨・雪・霧に混じって、ふたたび地上に降ってくるんだ。