マツモト:編集長、何してるんですか?
編集長:ん、マツモト君か? これこれ、これを見てくれ。
マツモト:水槽ですね。
おお! ということは、編集長。編集部で熱帯魚でも飼うんですか。こんなに狭いのに。
編集長:いやいや。
マツモト:じゃ、カメですか?
編集長:バカいっちゃいけない。何でカメなんだよ。カメなんて飼わないよ。
マツモト:編集長、知らないんですか。最近、カメってけっこうはやってるんですよ(ウソ)、コマーシャルにも出てるし。
でも、まあそれはいいとして、熱帯魚でも、カメでもないとすると・・・う〜ん、何でしょう。
編集長:これこれ。
マツモト:こ、これは。編集長! なんでこんなところに!
編集長:バカ、ぼくはここにいるよ! そりゃ、ナマズだよ。
マツモト:へへ、ちょっと似てたもんで。でもなんでナマズなんですか。
編集長:いやね、ほら最近、地震が多いだろう? 東京に地震が来るかもって話だし。前もって、地震の予知をする準備をしておこうと思ってね。
マツモト:それでナマズですか〜? 編集長、それってちょっと無理がないですか?
編集長:ばれたか。そう、今回の「点字で遊ぼう」講座はこの「予知」っていうのに関係あるんだ。
マツモト:なんだかおおげさー。
編集長:まあ聞きなさい。
前回までに、点字の五十音を覚えたね。でも、言葉にはいつも澄んだ音ばかりじゃなくって、「だ」とか「ぱ」とかっていう音(だくおん・半濁音っていうんだけれど)もあるよね。点字ではそれをどう表しているんだろうか。
マツモト:なるほど。確かにそうですね。編集長、そのへんってどうなっているんですか。
編集長:うん、それが、さっきのナマズなんだよ。
点字ではね、こういった濁点とか半濁点を書くばあい、文字の先にあらかじめ書いておくんだよ、「これから濁音ですよ、半濁音ですよ」ってね。たとえばこんなふうにね。赤の点がそれぞれ濁音と半濁音を表しているんだよ。
(例1)
マツモト:へーっ、だから、「予知」なんですね。
点字で書くときは、濁音や半濁音の点は文字の最初に書く決まりがあるっていうことですね。
編集長:そう。ぼくらが書いているひらがな・カタカナのばあいとは逆だよね。これは、濁音・半濁音だけじゃなくて、「きゃ」とかの拗音も同じなんだよ。これもさっきと同じ赤の点が「ゃ」を表しているんだ。
(例2)
マツモト:なるほど。だんだんわかってきたぞー。あ、でも、その濁音と拗音とが合体した「ぎゃ」とか「ぴゃ」なんてのはどうなるんですか。
編集長:ん?いいところに気がついたね。そう、まさに合体しちゃうんだよ。この例を見てみよう。
(例3)
はじめにある赤の点を見てごらん。「ぎゃ」の場合は「ぎ」+「きゃ」でできているし、「ぴゃ」の場合は「ぴ」+「ひゃ」でできているだろう?
マツモト:へえ、合理的ですね。
編集長:そうだね。あともう少しだよ。がんばってね。
マツモト:はいっ。・・・編集長。でも、このナマズ、どうするんですか?
編集長:う〜む・・・
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